『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す』で、第四魔物騎士団を訪れたフィーアに、初対面から厳しい言葉を浴びせるギディオン副団長。
「なぜそこまでフィーアを嫌うの?」「第一騎士団と何かあった?」「後には態度を改めるの?」と、反発の理由が気になった方もいると思います。
ギディオンがフィーアに反発した大きな理由は、第四魔物騎士団が他団から低く見られているという不満を、筆頭の第一騎士団から来た彼女にぶつけてしまったためです。
そこへ、新人騎士としての見た目や従魔の証をめぐる思い込みが重なり、フィーアの実力を見誤ってしまいます。
この記事では、ギディオンの役職と人物像から、フィーアを嫌う理由、原作で謝罪する転機までを順番に整理します。
📝 この記事のポイント
- ギディオンは、団長不在時の第四魔物騎士団を預かる副団長
- 第一騎士団への反感と、フィーアへの実力の誤認が対立の背景
- パティとクェンティンの視点から、ギディオンの長所と問題点が分かる
- 従魔たちがフィーアに懐く光景を見て、自分の不当な扱いを認める
⚠️ 注意・ネタバレ
原作Web版の「第四魔物騎士団」編から「42 黒竜探索2」までを中心に、ギディオンの態度が変化する展開を解説します。
ギディオン副団長がフィーアを嫌う理由は?第四魔物騎士団の不満と誤解
ギディオンは第四魔物騎士団の副団長!団長不在の組織を預かる人物
ギディオン・オークスは、第四魔物騎士団の副団長です。
フィーアが手伝いに来た時点では、クェンティン団長が長期不在だったため、ギディオンが団長業務を代行していました。
つまり、単に口うるさい先輩騎士なのではなく、その場の仕事の配分や団の運営に責任を持つ立場です。
| 人物 | 所属・役職 | 第四魔物騎士団での立場 |
|---|---|---|
| ギディオン・オークス | 第四魔物騎士団副団長 | 団長不在時の運営を代行する |
| クェンティン・アガター | 第四魔物騎士団長 | 部隊を率い、ギディオンの性格も把握している |
| パティ・コナハン | 副団長補佐 | ギディオンを補佐し、フィーアにも事情を説明する |
| フィーア・ルード | 第一騎士団所属 | 所属を変えずに第四魔物騎士団の仕事を手伝う |
原作では赤銅色の髪をした大柄な騎士として描かれ、初登場時から威圧的な態度が目立ちます。
ただ、私がここで押さえておきたいのは、ギディオン自身も、自分たちの団を背負っているつもりだったということです。
その責任感が、他団への反感と結び付いた結果、来たばかりのフィーアを公平に見られなくなっていました。
団長と副団長、騎士団全体を束ねる総長の違いは、騎士団長の所属・役職とフィーアとの関係を整理した一覧でも確認できます。
不満の出発点は、従魔と戦う第四魔物騎士団への低い評価
第四魔物騎士団は、従魔とともに戦うことを特徴とする部隊です。
しかし、従魔を使う技術には解明されていない部分もあり、訓練を重ねても、戦場で常に思いどおりの連携ができるわけではありません。
クェンティン視点の原作エピソードでは、騎士たちが日頃から世話をし、一緒に訓練していても、従魔の動きが想定とわずかにずれてしまう難しさが語られます。
その結果だけを見た他団から、第四魔物騎士団の力不足として扱われることが、団員たちの不信感につながっていました。
ギディオンの不満には、従魔とともに積み重ねている努力を、十分に評価されていないという背景があります。
ここを知ると、彼が部隊の名誉にこだわる理由は理解しやすくなりますね。
ただし、戦場で結果が重視されることにも理由があり、クェンティンも、その考え方を全面的に否定しているわけではありません。
私はこの描写から、他団だけが一方的に悪いというよりも、異なる戦い方への理解が追い付いていない組織の難しさを感じました。
ギディオンは、その溝に対して特に感情的になりやすい人物なのです。
第一騎士団所属のまま来たフィーアが、反感の矛先になってしまう
ギディオンは、魔物騎士団が冷遇されていると感じる一方、筆頭騎士団である第一騎士団を特に嫌っています。
そこへやって来たのが、シリル第一騎士団長の推薦を受けた新人のフィーアでした。
しかも彼女は第四魔物騎士団へ正式に転属するのではなく、第一騎士団に所属したまま、一時的に仕事を手伝う形です。
初対面のギディオンは、この扱いを第一騎士団側の都合によるものとして受け取り、フィーアに嫌味を言います。
シリルの推薦から経験豊富な騎士を想像していたところ、年若い新人が現れたことも、悪い方向に作用していました。
🔖 反発の流れを整理
- 自分たちの団は他団から低く見られていると感じている
- 特に第一騎士団に対して反感を持っている
- その第一騎士団から、所属を変えない新人が派遣されてくる
- フィーアの実力を確かめる前に、不満をぶつけてしまう
私には、ギディオンが目の前のフィーアを見ているつもりで、実際には「気に入らない第一騎士団」の姿を重ねてしまっているように感じられます。
本人が決めたわけではない派遣の形についてまで責められるフィーアにとっては、理不尽な出会いだったといえるでしょう。
細い従魔の証と小柄な体格から、実力のない騎士だと思い込む
ギディオンの反発を強めたのが、フィーアと従魔の実力についての誤解です。
従魔契約の証は、一般には幅が太いほど強い魔物との契約だと考えられています。
ただし、実際に関係しているのは、魔物を従わせて契約を完了するまでの時間です。
そのため、証が細いという情報だけでは、魔物の強弱を正確に判断できません。
ところがギディオンは、フィーアの極端に細い証を見ると、弱り切った魔物と運よく契約できただけだと決め付けてしまいます。
さらに、小柄で細いフィーアの体格を見て、騎士としても弱いと判断しました。
そこから、実力がないのに上司へ取り入り、都合よく扱ってもらっている人物だという疑いまで膨らませます。
従魔の証という一つの手がかりから、本人の能力や人柄まで悪く決め付けたことが、ギディオンの大きな誤りです。
私が印象に残ったのは、専門知識が全くなかったのではなく、自分の知っている一般例にフィーアを当てはめてしまった点です。
ザビリアとの契約が普通の従魔契約と異なることを知らなかったため、例外に気付けませんでした。
契約の背景については、ザビリアの正体とフィーアとの契約を解説した記事で詳しく整理しています。
パティは「根は真面目」と評価するが、フィーアへの態度は問題
ギディオンの人物像を理解するうえで、補佐役のパティの説明は欠かせません。
パティはフィーアに対し、ギディオンが魔物騎士団の冷遇を不満に思っていることを説明し、彼の態度を謝っています。
その一方で、少し子どもっぽいところはあっても、根は真面目な人物だと評価していました。
クェンティンも、ギディオンを心根の悪い人物としては見ていません。
ただし、直情的で考えが浅くなりやすく、一つの誤解によって長所が短所に変わってしまう危うさを把握しています。
だからこそ、自分が長く団を離れる際には、パティを補佐として付けていました。
私としては、周囲がギディオンの良い面と問題点の両方を知っているところに、この人物の人間らしさを感じます。
もっとも、仲間を大切にしていることと、外から来たフィーアを不当に扱ってよいことは別です。
彼の背景を理解したうえで、本人がその態度をどう改めるのかを見ることが、このエピソードの大切な読みどころになります。
ギディオン副団長とフィーアの関係はどう変わる?叱責と謝罪の転機
嫌味だけでは終わらず、本来の仕事にも支障が出ていた
ギディオンとフィーアの対立は、単に相性が悪いというだけの話ではありません。
フィーアが第四魔物騎士団へ来た本来の目的は、魔物の生命力を数値化する仕事でした。
しかし、ギディオンに受け入れてもらえず、その仕事を始められないまま、従魔へ回復薬を与える業務に取り組むことになります。
フィーアは、その時点でできる仕事を進めていましたが、派遣の目的と現場で担当する仕事が食い違っていました。
ここで私が気になったのは、ギディオンの感情が、団にとって役立つはずの仕事を止めてしまっていることです。
自分たちの団を大切にしたいという気持ちが強くても、協力しようとする相手を退けてしまえば、結果として団の利益を損なうこともあります。
一方のフィーアは、従魔の世話を通して、現代の回復薬や聖女の力について考えるようになります。
予定どおりの仕事ではなくても、目の前で傷ついている存在を放っておけないところが、彼女らしいですね。
この時期に出会う幼い聖女については、シャーロットの本当の実力とフィーアとの関係もあわせて読むと、第四魔物騎士団編のつながりが分かりやすくなります。
シリルが問うのは、フィーアへの態度と責任者としての仕事
業務の進み具合を確認しに来たシリルは、フィーアが本来の仕事に手を付けていないことを知ります。
そこで、第四魔物騎士団を指揮するギディオンに、仕事が進んでいない原因を問いただしました。
フィーアが自主的に仕事を怠っているのか、それとも誰かが仕事を妨げているのかという確認です。
どちらであっても、団を預かるギディオンには、状況を把握し、問題を正す責任があります。
シリルの叱責には、推薦した部下を守る意味に加え、責任者としての職務を果たしているのかを問う意味があります。
ここを押さえると、単に強い上司が新人を助けに来た場面として見るよりも、問題の所在がはっきりします。
私は、フィーアが自分の受けた扱いを大ごとにしようとしない一方で、シリルは仕事の結果から問題を見抜くという対比が印象的でした。
ただ、叱られて怖くなったことだけで、ギディオンの思い込みがすべて解けたわけではありません。
その後も失礼な発言が残るため、反省へ至るには、本人がフィーアを見直す経験が必要でした。
シリルの立場や人物像は、シリルの正体・強さとフィーアとの関係で詳しく解説しています。
クェンティンは力を見抜くが、ギディオンは同じものを見ていない
帰還したクェンティンがフィーアに丁重な態度を取ると、ギディオンは戸惑います。
彼からすれば、相手は自分が低く評価していた新人騎士なのに、団長がなぜ敬語を使うのか分からないのです。
しかし、クェンティンは、フィーアと小さな姿のザビリアが持つ、尋常ではない力を感じ取っていました。
一方のギディオンは、その危険性を同じようには認識できていません。
ザビリアを弱い従魔として扱い続ける発言からも、認識の差が分かります。
| 比較する点 | クェンティン | ギディオン |
|---|---|---|
| フィーアへの第一印象 | 見た目に収まらない力を感じ取る | 小柄な新人騎士として低く見る |
| ザビリアへの認識 | 小さな姿でも異常な力に気付く | 弱い従魔だという思い込みが残る |
| 態度を変える理由 | 自分が感じ取った力への警戒 | 後に目撃する従魔たちの反応と、自分の扱いへの反省 |
私には、同じ部屋にいる二人が、全く違う情報をもとに会話しているところが、この場面のおかしさだと感じられます。
クェンティンの対応を見ているだけでは、ギディオン本人の評価は簡単には変わらなかったのです。
従魔たちがフィーアに懐く光景を見て、不当な扱いを謝罪する
ギディオンが明確に態度を改めるのは、原作Web版「42 黒竜探索2」での出来事です。
フィーアは傷ついたグリフォンやほかの従魔を回復させ、その結果、従魔たちから親しげにすり寄られます。
契約主ではない彼女に従魔たちが懐く光景は、魔物を扱うギディオンにとって、常識では説明しにくいものでした。
加えて、フィーアの派遣が騎士総長の指示によるものだと聞いていたことも、彼女の価値を見直す材料になります。
ギディオンはここで、他団への不満からフィーアを不当に扱ったことを認め、頭を下げて謝罪しました。
さらに、副団長の職を返上して謝罪の意を示そうとしますが、フィーアは慌てて止めに入ります。
私がこの場面で大切だと思うのは、ギディオンがフィーアの実力を認めるだけでなく、自分の感情による扱いだったと認めたことです。
なお、職の返上を申し出ることと、正式に降格処分が決まることは別です。
この謝罪場面だけをもとに、ギディオンが副団長を辞めたと受け取らないようにしたいですね。
謝罪は「大聖女の正体を知ったから」ではない!読み返すなら評価の変化に注目
ギディオンの態度が変わったからといって、この時点でフィーアの前世まで理解したことにはなりません。
謝罪の言葉で示されているのは、従魔たちの反応に驚き、派遣の意味を見直し、自分の不当な扱いを反省したということです。
フィーアの能力を認めることと、彼女が300年前の大聖女の転生者だと知ることは、分けて考える必要があります。
前世や秘密の全体像については、フィーアの正体と大聖女セラフィーナの過去で整理しています。
また、初期のギディオンにも、フィーアの従魔が彼女によく懐いている点を、悪くないと認める発言があります。
それでも、すぐに取り入りを疑う方向へ話を戻してしまうため、良いところが見えていても、公平な評価に結び付いていませんでした。
私は、謝罪を知ったあとで読み返すなら、この「気付いているのに認め切れない」段階に注目すると面白いと思います。
最初から何もかも理解している人物ではないからこそ、偏見を改めて頭を下げる場面が、一つの変化として伝わってきます。
物語を確認する際は、原作Web版の「28 第四魔物騎士団2」でパティの説明を、「SIDE 第四魔物騎士団長クェンティン」で団の事情を読むと、反発の背景をつかみやすくなります。
そのうえで作者公開の原作Web版「42 黒竜探索2」を読むと、ギディオン自身が何を反省したのかを確かめられます。
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漫画本編・原作小説・過去編ZEROの違いや購入先は、『転生した大聖女』はどこで読めるかをまとめた記事でも比較しています。
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この記事の総括
📌 ここでのポイント
- ギディオンは、クェンティン不在時の第四魔物騎士団を預かる副団長
- フィーアを嫌う理由の中心には、団への低い評価に対する不満と第一騎士団への反感がある
- 小柄な体格や細い従魔の証から、本人とザビリアの実力を見誤った
- 上司への取り入りで優遇された人物だという、根拠のない疑いも重なっていた
- シリルには、本来の仕事を進められない状況と責任者としての対応を問われる
- 従魔たちがフィーアに懐く光景を見て、不当な扱いを謝罪する
- 謝罪や職の返上の申し出を、前世の正体の把握や正式な降格と混同しない
ギディオン副団長とフィーアの関係は、団への誇りが偏見に変わってしまう危うさと、自分の誤りを認める変化に注目すると、より味わい深く読めると思います。


