『PSYREN -サイレン-』の物語を読み進めると、天戯弥勒やグラナたちの過去に関わる謎の組織として登場するのが「グリゴリ」です。
グラナは「01号」、ジュナスは「05号」、弥勒は「06号」、ネメシスQの主は「07号」と呼ばれていたため、「グリゴリとは何の組織?」「なぜ子供たちを実験体にした?」「どんな実験をしていた?」「01~09号は誰なの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、グリゴリはPSI能力者を研究し、その力を軍事利用する目的で作られた国家機密研究組織です。
しかも、その研究は単なる能力測定ではありません。
第一次計画では胎児の段階から処置を施して人工的にサイキッカーを生み出し、第二次計画ではもともとPSIの素質を持つ子供たちを集めて能力を開花させるなど、実験体の人生そのものを研究対象としていました。
そしてグリゴリの存在は、W.I.S.E誕生や天戯弥勒の思想、ネメシスQの主の過去へ直接つながっています。
この記事では、グリゴリの正体と目的、第一次・第二次計画の違い、実験体01~09号の正体、実験の内容、そして組織が二度にわたって壊滅した理由まで整理して解説します。
📝 この記事のポイント
- グリゴリはPSIの軍事利用を目的とした国家機密研究組織
- 第一次計画と第二次計画では実験体を生み出す方法が異なる
- グリゴリ実験体は01号から09号まで存在する
- グラナ・ジュナス・天戯弥勒・ネメシスQの主などが実験体だった
- グリゴリの実験と扱いがW.I.S.E誕生につながる大きな原因となった
⚠️ ネタバレ注意
ここからは『PSYREN -サイレン-』原作後半までのネタバレを含みます。グリゴリ実験体の正体や天戯弥勒・ネメシスQの主の過去についても触れています。
PSYRENのグリゴリとは?正体と人体実験の目的
📌 ここでのポイント
グリゴリの正体は国家によるPSI研究組織
グリゴリは、『PSYREN』の世界で秘密裏にPSI研究を進めていた国家機密研究組織です。
正式には「文部科学省能力開発研究局異種心理神経課」とされ、表社会から隔離された環境でサイキッカーに関する研究を行っていました。
作中に登場するPSIは、思念の力によって常識では説明できない現象を引き起こす能力です。
しかしグリゴリが求めていたのは、PSIという未知の力を純粋に理解することだけではありませんでした。
強力なサイキッカーを人為的に生み出し、その能力を国家の力として利用することが研究の大きな目的だったのです。
そのため、グリゴリにとって実験体となった子供たちは保護すべき存在ではなく、研究成果を得るための「対象」として扱われていました。
私は、グリゴリを知ると『PSYREN』における「力を持つ者と社会」というテーマがかなり見えやすくなると感じます。
天樹院エルモアが特殊な力を持つ子供たちを守るためにエルモア・ウッドを作ったのに対し、グリゴリはその力を利用する方向へ進んだ組織だからです。
グリゴリ計画の目的はPSI能力の軍事利用
グリゴリ計画では、サイキッカーの軍事利用を見据えた研究が行われていました。
PSIには物体へ干渉するバースト、精神へ干渉するトランス、身体能力を高めるライズなどがあり、使い手によっては通常兵器を大きく上回る力を発揮します。
実際、グリゴリから生まれた実験体を見ると、その危険性は明らかです。
グラナは巨大な物体すら操る規格外のテレキネシスを持ち、ジュナスはPSIを刃として操り、天戯弥勒は生命そのものへ干渉する「生命の樹」を使います。
さらに07号は時間を越える特殊な力を持っていました。
こうした能力を国家が管理できれば、既存の兵器体系とはまったく異なる力になります。
⚔️ PSI研究の危険性
- 物理法則を超えた攻撃・防御が可能
- 精神への干渉も可能
- 通常兵器では対処しにくい
- 強力なサイキッカーを国家が管理できれば軍事的価値が極めて高い
ただし、PSIそのものについては別記事で詳しく整理しています。
バースト・トランス・ライズの違いやノヴァまで確認したい方は、PSYRENのPSI能力とは?バースト・トランス・ライズの違いもあわせて読むと、グリゴリがなぜPSI研究へ執着したのか分かりやすくなります。
第一次グリゴリ計画では人工的なサイキッカーを育成
グリゴリ計画は一度だけ行われたものではなく、第一次計画と第二次計画に分けて考える必要があります。
第一次グリゴリ計画で行われていたのは、胎児の段階から処置を施し、人工的に強力なサイキッカーを育成するという研究でした。
その代表的な成功例が、後にW.I.S.E第一星将となるグリゴリ01号・グラナです。
グラナは生まれる前からグリゴリの研究対象にされており、成長すると規格外のテレキネシスを発現します。
しかしグラナは11歳のころに施設から脱走。
その際にグリゴリへ壊滅的な被害を与え、第一次計画は中断へ追い込まれました。
つまり第一次グリゴリ計画は、強力な能力者を生み出すことには成功したものの、その能力者を制御できなかったという重大な失敗を抱えたことになります。
グラナについて詳しく知りたい方は、グラナの正体はグリゴリ01号!強さと弥勒との関係で過去から最終盤まで解説しています。
私としては、このグラナの脱走がグリゴリの問題を象徴しているように思います。
圧倒的な力を生み出せても、その相手を一人の人間として扱わなければ、永遠に支配し続けることなどできなかったのでしょう。
第二次計画ではPSIの素質を持つ子供が実験体になった
グラナの脱走によって第一次計画は失敗しましたが、グリゴリそのものが消滅したわけではありません。
計画は再始動し、今度は第二次グリゴリ計画へ移行します。
第二次計画で大きく変わったのは、実験体を作る方法でした。
胎児から人工的に能力者を作るのではなく、すでにPSIの資質を持っている子供たちを見つけ出し、その能力を研究・開花させる方向へ切り替えられたのです。
その中にいたのが、05号ジュナス、06号天戯弥勒、07号であるネメシスQの主でした。
特に弥勒と07号は双子の姉弟で、幼少期には児童養護施設「はるかぜ学園」で暮らしていました。
二人は幼いころからグリゴリの実験体となり、本名ではなく番号で管理される生活を送ることになります。
第一次計画が「人工的にサイキッカーを作る研究」だったのに対し、第二次計画は「生まれつき資質を持つ子供を集め、その力を引き出して管理する研究」へ変化したと整理すると分かりやすいでしょう。
実験体は能力だけでなく自由まで奪われていた
グリゴリの恐ろしさは、強力なPSIを研究していたことだけではありません。
実験体となった子供たちは施設内に隔離され、番号で管理されながら、能力の研究対象として扱われていました。
第二次計画では第一次計画の失敗も踏まえ、研究成果だけでなく実験体を完全に管理することも重要視されていたと考えられます。
弥勒にはPSIを抑えるための制御装置が用いられ、自由に能力を使えない状態に置かれていました。
また、元グリゴリ職員の射場公一は05号・06号・07号らの世話や心理面のケアに関わっており、後に彼らへの扱いに強い罪悪感を抱いています。
ここで重要なのは、グリゴリが単純な「悪の科学者集団」として描かれているわけではない点です。
射場のように実験体へ情を抱き、自分たちが行ってきたことを悔いていた人物も存在しました。
それでも組織全体としては、子供たちの意思より研究と管理が優先されています。
💡 考察ポイント
私は、グリゴリが弥勒を強くしたというより、弥勒が「普通の人間社会を信用できなくなる土壌」を作ってしまったことの方が重要だと感じます。力を恐れながら利用しようとする大人たちに囲まれた経験が、後の弥勒の思想を理解する大きな鍵になっています。
グリゴリ実験体01~09号の正体は?グラナ・ジュナス・弥勒との関係
📌 ここでのポイント
グリゴリ実験体は01~09号まで存在する
グリゴリには、確認できる範囲で01号から09号まで9人の実験体が存在します。
第一次計画に属するのが01~03号、第二次計画に属するのが04~09号です。
| 番号 | 正体 | 計画 | 主な情報 |
|---|---|---|---|
| 01号 | グラナ | 第一次 | 胎児期から処置を受けた実験体。後のW.I.S.E第一星将 |
| 02号 | 不明 | 第一次 | 詳細不明 |
| 03号 | ウラヌス | 第一次 | グラナを追う側となり、改変前の未来ではW.I.S.E第三星将 |
| 04号 | 不明 | 第二次 | 詳細不明 |
| 05号 | ジュナス | 第二次 | 後のW.I.S.E第二星将 |
| 06号 | 天戯弥勒 | 第二次 | W.I.S.E創始者。07号の双子の弟 |
| 07号 | ネメシスQの主 | 第二次 | 06号の双子の姉。時間に干渉するPSIを持つ |
| 08号 | 不明 | 第二次 | 詳細不明 |
| 09号 | 不明 | 第二次 | 詳細不明 |
こうして並べると、物語の重要人物がグリゴリ出身者に集中していることが分かります。
特に01号・05号・06号はW.I.S.Eの中枢へ進み、07号はPSYRENゲームそのものを生み出す人物になりました。
つまりグリゴリは過去の設定にすぎないのではなく、『PSYREN』本編を動かしている複数の勢力を生み出した出発点ともいえる存在なのです。
複数の実験体が後にW.I.S.Eへ参加している
グリゴリとW.I.S.Eには非常に深い関係があります。
W.I.S.Eを作った天戯弥勒自身がグリゴリ06号であり、その側には05号ジュナスがいました。
さらに弥勒は後に01号グラナと接触。
激しい戦いの末、グラナは弥勒の力と思想に興味を持ち、W.I.S.Eへ加わります。
改変前の未来では03号ウラヌスもW.I.S.Eへ加わっており、グリゴリ出身者が組織の重要な位置を占めていました。
そのため、W.I.S.Eはグリゴリとは無関係に突然生まれたサイキッカー集団ではありません。
国家によって力を研究・利用されていた者たちが、今度は自分たちの力を基準とする新たな世界を作ろうとしたという流れがあります。
ジュナスについては、ジュナスの正体はグリゴリ05号!強さとカプリコとの関係で詳しく解説しています。
また、W.I.S.E全体の目的や星将については、W.I.S.Eの正体とは?目的・星将メンバーと世界崩壊の真相も参考にしてください。
私はここが『PSYREN』の敵側を単純な悪役集団として片付けにくい理由の一つだと思っています。
もちろんW.I.S.Eの行動が正当化されるわけではありませんが、彼らが生まれる以前に、力を持つ人間を道具として扱った社会側の問題も存在していたからです。
06号・天戯弥勒と07号・ネメシスQの主は双子だった
第二次グリゴリ計画で特に重要なのが、06号と07号です。
06号は後の天戯弥勒。
そして07号は、PSYRENゲームを作り出したネメシスQの主です。
二人は実の双子の姉弟でした。
幼いころは「はるかぜ学園」で暮らしていましたが、その後グリゴリの実験体となります。
弥勒は研究が終われば姉と一緒に普通の生活へ戻れることを願い、姉を守るように実験へ協力していました。
しかし長期間にわたる実験と隔離生活によって、その希望は次第に失われていきます。
最終的に弥勒はグリゴリへ反旗を翻しますが、07号は弟と同じ道を選びませんでした。
この姉弟の分岐が、後の物語を大きく動かします。
弥勒はW.I.S.Eを作り、人間社会とは異なる世界を生み出そうとする。
一方の07号は未来でネメシスQを作り、荒廃した世界が生まれた原因を過去から探ろうとします。
同じグリゴリの被害者でありながら、二人はまったく異なる方向へ進んだわけです。
弥勒の過去と思想については、天戯弥勒の正体は?グリゴリ06号の過去・目的と最後で詳しくまとめています。
07号とPSYRENゲームの関係については、ネメシスQの正体は?主・グリゴリ07号とゲームの目的で確認できます。
🔖 覚えておきたいポイント
PSYRENゲームを生み出した07号と、荒廃した未来でW.I.S.Eを率いていた06号は双子の姉弟です。物語序盤ではまったく別々に見える「ネメシスQ」と「W.I.S.E」が、グリゴリを通じて一本につながっています。
02・04・08・09号の正体は明かされていない
実験体が01号から09号まで存在すると聞くと、「残りの番号は誰だったの?」と気になるところです。
しかし、02号・04号・08号・09号については、原作で正体や詳細が明確に描かれていません。
そのため、既存キャラクターの誰かを当てはめたり、「実はこの人物だった」と断定したりすることはできません。
確認できる範囲を整理すると、第一次計画には01~03号、第二次計画には04~09号が存在し、第二次計画では05・06・07号が特に重要な実験体として扱われています。
番号が用意されている以上、02・04・08・09号にもそれぞれ実験体が存在したと考えられますが、その後どうなったのかまでは分かっていません。
私は、この「空白」が残されているところも『PSYREN』らしい部分だと思います。
本編で語られなかったグリゴリの歴史がまだ存在することを感じさせる設定であり、もし外伝が描かれるなら見てみたい部分の一つです。
グリゴリはグラナと弥勒によって二度壊滅した
グリゴリの歴史で興味深いのは、自分たちが生み出した実験体によって二度も壊滅へ追い込まれていることです。
最初の壊滅を引き起こしたのが01号グラナでした。
グラナは11歳で施設を脱走し、第一次グリゴリ計画を事実上破綻させます。
しかしグリゴリはその失敗から研究そのものをやめるのではなく、方法を変えて第二次計画を開始しました。
そして二度目の壊滅を引き起こしたのが06号・天戯弥勒です。
弥勒は長い実験生活の末にPSIの制御から解放され、グリゴリへ反旗を翻しました。
結果として組織は再び壊滅。
元職員の射場公一が生き残り、後にアゲハたちへグリゴリや弥勒に関する重要な情報を伝えることになります。
つまりグリゴリは、「強力な能力者を作る」という研究そのものは成果を出しながら、「その能力者を人間として扱わず完全管理しようとしたこと」で二度とも破綻したと見ることができます。
この皮肉な結末は、グリゴリという組織を理解するうえで非常に重要です。
この記事の総括
📌 ここでのポイント
- グリゴリはPSI能力の軍事利用を目的とした国家機密研究組織
- 第一次計画では胎児期から処置を行い、人工的なサイキッカーを育成した
- 第二次計画ではPSIの資質を持つ子供を集め、能力を開花・研究した
- 実験体は01~09号まで存在する
- 01号はグラナ、03号はウラヌス、05号はジュナス、06号は天戯弥勒、07号はネメシスQの主
- 02・04・08・09号の詳細は明かされていない
- 06号と07号は「はるかぜ学園」で暮らしていた双子の姉弟
- グリゴリ出身者の複数が後にW.I.S.EやPSYRENゲームの中心人物となった
- 第一次計画はグラナ、第二次計画は弥勒の反乱によって壊滅した
- グリゴリを理解するとW.I.S.E誕生や弥勒・07号の行動理由がつながって見えてくる
『PSYREN -サイレン-』におけるグリゴリは、単なる過去の研究施設ではありません。
グラナ、ジュナス、天戯弥勒、ネメシスQの主という物語の重要人物を生み出し、W.I.S.EとPSYRENゲームの両方につながる非常に重要な組織です。
特に印象的なのは、第一次・第二次ともに、自分たちが研究していた実験体によって計画が崩壊している点でしょう。
力を持つ者を恐れながら、その力だけを利用しようとした結果、グリゴリ自身が制御できないほど強大なサイキッカーを生み出してしまいました。
そしてグリゴリで人生を奪われた者たちは、その後それぞれ異なる道を選びます。
グラナは自分の人生を求め、ジュナスは弥勒と行動し、弥勒は新しい世界を作ろうとし、07号は時間を越えて世界崩壊の原因を探りました。
私は、グリゴリの存在を知ったうえで『PSYREN』を読み返すと、W.I.S.E側のキャラクターの見え方がかなり変わると思います。
彼らがなぜこれほど人間社会から離れていったのか。
そしてアゲハたちが守ろうとした未来と、弥勒が作ろうとした未来は何が違ったのか。
グリゴリは、その問いを考えるための重要な出発点になっています。


