『天幕のジャードゥーガル』で、主人公シタラの人生を大きく変えた人物がモンゴル帝国の第四皇子・トルイです。
シタラは後にトルイの正妃ソルコクタニへ仕えることになるため、「シタラとトルイはどんな関係?」「なぜシタラはトルイを憎んでいる?」「トルイ本人へ復讐しようとしているの?」「2人に恋愛的な関係はある?」と気になった方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、シタラとトルイは恋愛関係ではなく、シタラにとってトルイは故郷や大切な人、平穏だった生活を奪った「直接的な仇」に近い存在です。
しかし、この2人の関係が面白いのは単純な「復讐する側とされる側」では終わらないところです。
シタラはトルイを直接倒すのではなく、彼が属するモンゴル帝国へ潜り込み、妻ソルコクタニやオゴタイ家の人々と関わりながら、知識と政治を武器に帝国そのものを内部から揺さぶろうとしていきます。
📝 この記事のポイント
- トルイはシタラの住むトゥースを侵攻したモンゴル軍の指揮官
- シタラがトルイを憎む背景にはファーティマと原論を巡る悲劇がある
- 2人は恋愛関係ではなく、基本的には被害者と仇という関係
- シタラはトルイの妻ソルコクタニへ接近し、帝国内部へ入り込む
- 復讐はやがてトルイ個人ではなく、モンゴル帝国そのものへ向かっていく
⚠️ ネタバレについて
この記事ではアニメ第10幕付近までの内容と、トルイのその後に触れています。未視聴の方はご注意ください。
天幕のジャードゥーガルでシタラとトルイはどんな関係?
トルイはシタラの日常を奪った直接的な仇
シタラとトルイの関係を理解するうえで、最も重要なのがトゥースへの侵攻です。
幼いころに母を失ったシタラは、学者一家の奥方ファーティマに拾われ、彼女のもとで暮らすようになります。
さらにファーティマの息子ムハンマドから学問の大切さを教えられ、少しずつ「知ること」が自分の人生を切り開く力になると理解していきました。
シタラにとって、この家で過ごした時間は単なる居候生活ではありません。
故郷から離れ、母を失った少女がようやく手に入れた新しい家族と居場所だったと見ることができます。
しかし、その生活を終わらせたのがトルイ率いるモンゴル軍でした。
モンゴル帝国の第四皇子であるトルイは軍を率いてトゥースへ侵攻し、ファーティマの屋敷にも攻め込みます。
結果としてシタラはモンゴル軍の捕虜となり、それまで築いてきた生活を一気に失うことになりました。
✅️ シタラから見たトルイ
- 自分が暮らしていた街へ侵攻した軍の指揮官
- 新しい家族との生活を終わらせた存在
- ファーティマの大切な原論を奪った人物
- モンゴル帝国という巨大な敵を象徴する存在
そのため、シタラがトルイへ抱く感情には非常に強い憎しみがあります。
ただし重要なのは、シタラが「トルイ一人を倒せばすべて終わる」と考えているわけではないことです。
私としては、トルイはシタラにとって復讐の出発点となった人物であり、物語が進むほど、その憎しみがトルイ個人からモンゴル帝国という巨大な仕組みそのものへ広がっていくところが本作の面白さだと感じます。
トルイ本人の立場や「炉の主」として持つ軍事力については、『天幕のジャードゥーガル』トルイの正体と最期を解説した記事で詳しく整理しています。
原論を奪われたことが2人を再び結びつける
シタラとトルイをつなぐ重要な存在が、ファーティマが大切にしていた写本「原論」です。
トゥース侵攻の際、トルイは屋敷から原論を持ち去ります。
シタラにとって原論は、単なる貴重な本ではありません。
それまで自分を育ててくれたファーティマや、学問の大切さを教えてくれたムハンマドとの記憶につながる、非常に大きな意味を持つ存在です。
その原論が奪われたことで、シタラはただ捕虜として生き延びるだけではなく、「原論を取り戻す」という明確な目的を持つようになります。
そして、この目的がシタラを再びトルイのもとへ近づけることになりました。
ここが非常に皮肉なところです。
普通なら、すべてを奪った相手から一刻も早く離れたいはずです。
ところがシタラは、取り戻したいものがトルイ側にあるため、自分から敵の懐へ飛び込まなければなりません。
私は、この「憎いから遠ざかる」のではなく、憎い相手だからこそ自ら近づかなければならないという構図が、シタラとトルイの関係を単純な仇敵以上に面白くしていると思います。
シタラがファーティマを名乗ってトルイへ接近した理由
捕虜となったシタラに転機を与えたのが、同じくモンゴル側で生き延びようとしていた少年シラでした。
シタラには読み書きや学問の知識があります。
シラはその価値を見抜き、シタラをトルイへ紹介しようとします。
そこでトルイの前へ出たシタラは、本名ではなく「ファーティマ」と名乗りました。
この名前は、自分を育ててくれた奥方ファーティマから受け継いだものです。
つまりシタラは、トルイにすべてを奪われたあと、ファーティマから受け継いだ「名前」と「知識」を武器にして、再びトルイの勢力圏へ入り込んだことになります。
💡 考察ポイント
トルイがシタラから「家」を奪った人物だとすれば、シタラは失った家から受け継いだ知識と名前を使ってトルイの世界へ戻ってきたことになります。力では到底かなわない相手に、奪われずに残った「知」で立ち向かう構図は、本作を象徴する部分だと私は感じます。
なお、シタラがなぜファーティマを名乗るのか、史実のファーティマ・ハトゥンとの違いについては、シタラの正体とファーティマとの関係を解説した記事もあわせて読むと分かりやすいです。
シタラとトルイに恋愛関係はあるのか
シタラとトルイが何度も物語上で交差するため、2人の間に特別な恋愛感情があるのではと感じる方もいるかもしれません。
しかし、少なくとも作中で2人が恋愛関係として描かれているわけではありません。
トルイには正妃ソルコクタニがおり、シタラ自身もトルイへ強い憎しみを抱えています。
シタラにとって重要なのは、トルイ本人へ好意を抱くことではなく、彼の周囲へ入り込むことでモンゴル帝国の内側へ近づいていくことです。
そのため2人の関係を一言で表すなら、
「すべてを奪った征服者」と「その帝国へ知恵だけで潜り込んだ復讐者」
という表現が最も近いでしょう。
恋愛ではなく、この埋めようのない立場の違いこそが2人の関係の根底にあります。
📙【天幕のジャードゥーガル】が気になった方へ✨
1️⃣この漫画を読む
📖DMMブックス
📔ブックライブ
📚️BOOK☆WALKER
📘hont
2️⃣【天幕のジャードゥーガル】をもっと深く知りたい方はこちら
3️⃣【天幕のジャードゥーガル】が好きな人におすすめの漫画
4️⃣アニメを観るなら量とコスパ最強の2トップがおすすめ!
👑No.1 📺️DMM TV
👑No.2 🎞️Amazonプライムビデオ
シタラの復讐とトルイの関係はどう変化していく?
シタラはトルイの妻ソルコクタニへ仕える
トルイへの謁見を経たシタラは、その後トルイ本人のそばへ常に仕えるのではなく、正妃ソルコクタニのもとで原論の指南役となります。
ここでシタラとトルイの関係には、もう一つ大きなねじれが生まれます。
シタラはトルイを憎んでいるにもかかわらず、その妻であるソルコクタニの信用を得ていくことになるのです。
しかもソルコクタニは、単純に「憎い敵の妻」と片づけられる人物ではありません。
西方の知識に関心を持ち、原論の価値を理解し、シタラの能力も評価しています。
シタラからすればモンゴル側の人間であることに変わりはありませんが、実際に接することで、敵にもそれぞれ考えや事情があることを知っていくことになります。
私はここが『天幕のジャードゥーガル』らしい部分だと思います。
敵の内部へ入れば入るほど、シタラにとって復讐は簡単になるどころか、一人一人の人間を知ってしまうことで逆に複雑になっていくからです。
ソルコクタニ本人については、ソルコクタニの正体とトルイ・シタラとの関係を解説した記事でも詳しく紹介しています。
ドレゲネと手を組みオゴタイとトルイの不和を狙う
シタラの復讐が大きく動き始めるのが、オゴタイの妃ドレゲネと出会ってからです。
ドレゲネもまた、モンゴル帝国によって人生を大きく変えられた人物であり、帝国へ複雑な恨みを抱えています。
やがてシタラとドレゲネは手を組み、モンゴル帝国を内部から揺さぶろうと動き始めました。
その過程でシタラが目をつけたのが、皇帝としての権威を持つオゴタイと、巨大な軍事力を持つトルイの関係です。
チンギス・カンの死後、大カアンとなったのは兄オゴタイでした。
一方で末弟トルイは「炉の主」として大きな軍事力を握っており、帝国の権力と軍事力が一人に集中しているわけではありません。
シタラはこの構造に注目し、オゴタイとトルイの間に亀裂を生じさせれば、モンゴル帝国を内部から弱体化できるのではないかと考えていきます。
⚡️ 注目ポイント
ここでシタラの復讐は「トルイを倒す」という個人的なものから、「帝国の力関係そのものを利用する」という政治的なものへ変化していきます。剣を持たないシタラだからこそ、敵同士の関係と情報を武器にするわけです。
つまりこの時点のトルイは、シタラにとって「憎むべき仇」であると同時に、帝国を崩すために利用できる巨大な軍事勢力でもあります。
ドレゲネが史実でどのような人物だったのかについては、ドレゲネの史実と女性摂政としての生涯を解説した記事も参考になります。
トルイの死はシタラの直接的な復讐ではない
物語が進むと、トルイには大きな転機が訪れます。
病に倒れたオゴタイを救うための祈祷が行われたあと、トルイに異変が起き、そのまま命を落とすことになります。
ここで注意したいのは、トルイの死を「シタラが復讐に成功して殺した」と考えるのは正しくないという点です。
シタラは確かにオゴタイとトルイの関係を利用し、帝国内部に不和を生じさせようとしていました。
しかし、トルイの最期そのものはシタラが直接手を下した結果として描かれているわけではありません。
むしろ皮肉なのは、シタラにとって人生最大級の仇だったトルイが、シタラ自身が直接復讐を果たす前に歴史の流れから退場してしまうことです。
敵を倒せば復讐が終わるという単純な物語であれば、ここで一つの区切りになったでしょう。
しかし『天幕のジャードゥーガル』はそうなりません。
トルイの死後もモンゴル帝国は続き、オゴタイ家、トルイ家、妃たち、そして皇位継承を巡る力関係はむしろ複雑になっていきます。
トルイがいなくなってもシタラの復讐は終わらない
ここまでを考えると、シタラの本当の敵がトルイ一人ではなかったことがよく分かります。
もちろん、シタラの人生を直接破壊した人物としてトルイは非常に大きな存在です。
しかしシタラが失ったものは、トルイ個人の感情によって奪われたというよりも、モンゴル帝国が拡大していく歴史の中で失われたものでもあります。
だからこそ、トルイ一人が死亡してもシタラの復讐は終わりません。
むしろ彼女は帝国の中枢へさらに深く入り込み、ドレゲネをはじめとする女性たちと関わりながら、自分の持つ「知」をどのように使うのかを問われていきます。
私としては、シタラとトルイの関係で一番重要なのは、最終的に「仇を倒せたかどうか」ではないと思っています。
圧倒的な武力で人生を奪われた少女が、その後も武力ではなく知識を選び続ける。
その出発点となった人物こそトルイなのではないでしょうか。
✅️ シタラとトルイの関係まとめ
| 項目 | 関係 |
|---|---|
| 出会い | トルイ率いるモンゴル軍がトゥースへ侵攻 |
| シタラから見たトルイ | 故郷や大切な人を奪った直接的な仇 |
| 原論 | トルイ側へ奪われ、シタラが敵陣へ入り込む理由になる |
| ソルコクタニ | トルイの正妃。シタラは原論の指南役として仕える |
| 恋愛関係 | そのような関係としては描かれていない |
| 復讐 | トルイ個人だけでなくモンゴル帝国全体へ広がっていく |
| トルイの最期 | シタラが直接手を下した結果ではない |
なお、『天幕のジャードゥーガル』のように、武力だけではなく知略や政治、人間関係を使って巨大な権力構造へ挑む物語が好きな方なら、少し方向性は異なりますが『日本三國』も楽しめるかもしれません。
文明崩壊後の日本を舞台に、主人公が知識と言葉を武器に勢力争いへ挑んでいく作品です。次に読む作品を探しているなら、『日本三國』のあらすじ・キャラクター関係性を解説した記事もチェックしてみてください。
この記事の総括
📌 この記事のまとめ
- トルイはチンギス・カンの第四皇子で、トゥースへ侵攻したモンゴル軍を率いていた。
- シタラにとってトルイは、故郷や新しい家族との生活を奪った直接的な仇に近い存在。
- トルイ側へ奪われた原論を取り戻すことが、シタラが敵の内部へ入り込む大きな動機となる。
- シタラはトルイの前でファーティマを名乗り、その後正妃ソルコクタニの原論指南役となる。
- シタラとトルイに恋愛関係があるわけではなく、基本的には復讐者と仇という関係。
- ドレゲネと手を組んだシタラは、オゴタイとトルイの力関係を利用して帝国を内部から崩そうとする。
- トルイの死はシタラが直接手を下した結果ではない。
- トルイがいなくなった後も、シタラの復讐はモンゴル帝国そのものへ向かって続いていく。
『天幕のジャードゥーガル』のシタラとトルイは、単純な敵同士というだけではありません。
トルイはシタラから多くのものを奪った人物である一方、その侵攻が結果としてシタラをモンゴル帝国の中枢へ導くきっかけにもなっています。
そしてシタラは、トルイが象徴する圧倒的な「武力」へ同じ武力で対抗するのではなく、ファーティマやムハンマドから受け継いだ「知」を武器に選びました。
シタラとトルイの関係は、「すべてを奪った征服者」と「奪われてもなお知識だけは手放さなかった少女」の対比そのものです。
この関係を理解しておくと、シタラがなぜ危険を冒してまでモンゴル帝国の内部へ入り込み、ソルコクタニやドレゲネたちと関係を築いていくのかも、より深く見えてくるのではないでしょうか。
📙【天幕のジャードゥーガル】が気になった方へ✨
1️⃣この漫画を読む
📖DMMブックス
📔ブックライブ
📚️BOOK☆WALKER
📘hont
2️⃣【天幕のジャードゥーガル】をもっと深く知りたい方はこちら
3️⃣【天幕のジャードゥーガル】が好きな人におすすめの漫画
4️⃣アニメを観るなら量とコスパ最強の2トップがおすすめ!
👑No.1 📺️DMM TV
👑No.2 🎞️Amazonプライムビデオ






